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つくばエクスプレス沿線開発による千葉県への経済波及効果
千葉経済センター【財団法人ひまわりベンチャー育成基金】
①柏北部東地区柏たなか駅の周囲に開発される田園都市地域。計画人口17,000 人。施行者は都市再生機構。柏市の市北部開発の基本方針である都市と環境の調和をめざす「緑園都市構想」のなかで、特に自然と農業の共生がテーマとなっている。駅周辺には農村風景が広がるが、西約1kmに十余二工業団地、東南約1.5km に歴史ある分譲住宅街があり、既存のJR線の最寄り駅へのアクセスがバス便となることからTXに対する通勤、通学者のニーズも大きい。総事業費は620 億円で、事業終了年度は2016 年(平成28 年)度。
②柏北部中央地区柏の葉キャンパス駅が中央部に位置し、国道16 号線が横断する地域。計画人口26,000人。施行者は千葉県企業庁。柏市の「緑園都市構想」のなかでも新都心ゾーンに位置づけられている。東京大学、千葉大学のキャンパスのほか、国立がんセンター、東葛テクノプラザなどの研究開発施設もあり、Jリーグ柏レイソルのホームグラウンド・柏の葉公園総合運動場、こんぶくろ池公園(仮称)などの豊かな自然環境にも恵まれており、質量ともにすでに充実した投資がなされている地域。駅前に巨大ショッピングモールの進出が計画されており、商業の中心としての役割も期待されている。総事業費は963 億円、事業終了年度は2010 年(平成22 年)度。
③新市街地地区東武野田線との結節点となる流山おおたかの森駅を中心として開発される地域で、施行面積は県下最大の285.8ha。計画人口28,600 人。施行者は都市再生機構。コンセプトは、「アーバンパストラル」で都市の魅力(アーバニティ)と田園性(パストラリティ)の融合。流山の新拠点として、大型ショッピングモール、マンションの建設がすでに決まっており、柏北部中央地区と並んで都市機能の充実が期待される地域。西側にはオオタカが生息する市野谷の森が広がり、自然環境にも恵まれている。総事業費は1,037 億円、事業終了年度は2015 年(平成27年)度。
④運動公園周辺地区流山セントラルパーク駅の周囲を囲む地域で、流山市総合運動公園が良好な住宅環境を作り出している。計画人口は21,400 人。施行者は千葉県企業庁。コンセプトは「リラクゼーションフロント」でくつろぎのある居住環境を形成する。総事業費は742 億円、事業終了年度は2010 年(平成22 年)度。
⑤西平井・鰭ヶ崎地区JR武蔵野線との乗り換え駅となる南流山駅を最寄り駅とする地域で、総武流山電鉄鰭ヶ崎駅、平和台駅と隣接し、流山セントラルパーク駅とも近い。計画人口は5,100 人。施行者は流山市。コンセプトは「人と自然がふれあうまちづくり」。総事業費は174 億円、事業終了年度は2008 年(平成20 年)度。
⑥木地区南流山駅を最寄り駅とする地域。計画人口は6,800 人。施行者は千葉県住宅供給公社の破たんにより千葉県へ移管されている。コンセプトは「子どもとお年寄りが安心して住みつづけられるまち」。総事業費は298 億円、事業終了年度は2014 年(平成26 年)度。
5.経済波及効果の推計(最終需要の推計)(1)建設にかかる最終需要の推計TX開業による千葉県への経済波及効果については、開業の影響を受ける沿線地域すべてが6か所の一体型特定土地区画整理事業に組み込まれているため、当該地域の区画整理事業の進捗により発生する最終需要を推計に用いた。ここでは、最終需要項目としては、住宅建設事業、区画整理事業、公共投資事業、公園整備事業、電力施設投資を対象とした。なお、計画人口については、すべての区画整理事業において、2020 年度までには達成すると仮定した(表2)。
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